【もう他人に振り回されない】自分軸を見失う人の共通点と対策

しょう
こんにちは、精神科医しょうです。
「自分で自分がわからない」こんな風に思ったことはありますか?

これって結構多くの人が経験したことがあると思うんです。

だって、現代社会の中では、他人の視線や評価に敏感になりすぎて、つい自分を抜きにしてしまう。

そんな「自分軸を見失う」状態になりやすい時代だから。

そして、「この選択は本当に自分の意思なのか」「他人に合わせているだけじゃないか」…そんな疑問を抱えながら生活している人も少なくありません。

ここで、自分の「軸」を持つことは、これからの人生を自分らしく歩むための、とても大切な指針となります。

この記事では、自分軸を見失う原因や、そこから自分を見つめなおす方法を分かりやすく解説していきます。

しょう
この記事の信頼性
精神科専門医・指導医で、SNS総フォロワー10万人以上の精神科医しょうが書きます。

自分軸を見失う原因

「本当はこうしたいのに、つい周りに合わせてしまう」そんな瞬間、ありませんか?

たとえば…

  • 職場での評価に振り回されて、一日中気持ちが落ち着かない

  • 友人や家族の期待に応えるために、本当の気持ちを飲み込んでしまう

  • 周囲の「こうあるべき」に沿うことが当たり前になり、気づけば自分の望みがわからなくなっていた

こうした状態は、「他人軸」に生きているサインです。

でも、それはあなたが弱いからでも、意思がないからでもありません。

むしろ、周囲と調和しようとする優しさや、誰かの期待に応えたいという思いが強いからこそ、他人の価値観に自分を合わせすぎてしまうんです。

そして気づいたときには、「自分は何をしたいのか」「どう生きたいのか」が、霧の向こうにかすんでしまっている。

ある患者さんは、こんな言葉をこぼしていました。

「気づけば、自分の人生なのに、誰かの人生を代わりに生きてる気がするんです」

この違和感こそが、「自分軸を見失っている」ことの証拠です。

現代社会は「正解らしきもの」にあふれています。

SNSを開けば、幸せそうな誰かの姿や、“こうあるべき”という言葉が飛び交い、それを無意識に追いかけてしまう。

でも、それはあくまで「誰かの幸せ」であり、「あなたの幸せ」とは限りません。

自分軸を見失うとは、言い換えれば「自分を生きる余白」を奪われていくこと。

日々の選択や行動が、少しずつ他人の期待や価値観に侵食されていくことで、心のバランスが崩れ、モヤモヤや不安が大きくなっていくのです。

大切なのは、その状態に「気づくこと」。

そして、「私は本当はどうしたかったんだろう?」と、自分の内側に目を向けることです。

自分軸を取り戻す旅は、そこから始まります。

なぜ、他人軸になりやすいのか

私たち人間は、本能的に「人と調和して生きる力」を持っています。

それは、生き延びるために必要だった“社会性”という、大切な能力です。

だからこそ──

「嫌われたくない」

「トラブルを避けたい」

「空気を悪くしたくない」

そんな気持ちは、誰にでも自然と芽生えてくるものなんです。

ただ、その気持ちが強すぎると、少しずつ「自分を抑える」ことが当たり前になってしまいます。

  • 本当は嫌なのに「大丈夫です」と笑ってしまう
  • 無理をしてでも、相手の期待に応えようとしてしまう
  • 周りと違う意見を持つことに、怖さを感じてしまう

こうして、自分の「本音」や「望み」は、どんどん心の奥にしまいこまれていきます。

最初はただ“気をつかっている”だけのつもりだったかもしれません。

でも、その積み重ねが続くうちに──

「私は本当は、どうしたかったんだろう?」と、自分の気持ちさえ分からなくなってしまうのです。

自分を抑え続けていると、だんだん心の軸がブレていきます。

人の期待に応えることが「良いこと」に感じられる一方で、

自分らしさが置き去りになっていく寂しさや虚しさが、心の中にじんわりと広がっていく。

それは、優しさや思いやりがあるあなただからこそ、起こることなんです。

だからこそ今、自分の声に静かに耳を傾けてあげる時間が必要です。

“他人に合わせること”ではなく、“自分とつながること”が、これからのあなたの軸になります。

自分軸を見失わないために──心の“土台”を育てる3つのステップ

他人の期待に応えるばかりの毎日から、自分らしく生きる日々へ。

そのためには、「自分軸」を取り戻すことが大切です。

でも、いきなり「自分らしく生きよう」と言われても、何をどうすればいいか分からない…という方も多いと思います。

そこで、ここでは“心の軸”を整えるための具体的な3つのステップをご紹介します。

1. 価値観を言葉にする

まずは、紙とペンを用意して、自分が「本当に大切にしていること」を書き出してみましょう。

例えば──

  • 家族との時間
  • 安心して過ごせる場所
  • 誰かの役に立てたと感じる瞬間
  • 自由に動ける時間や環境

どんなに小さなことでも構いません。

自分の価値観を「見える形」にすることで、今の選択や行動が、本当に自分に合っているのかを確かめる“ものさし”になります。

2. 記憶を振り返る

次に、自分の過去を少しだけ振り返ってみましょう。

  • 本当に頑張ってやりとげた経験
  • 心から後悔したこと
  • 誰かに感謝された嬉しい思い出

そのときの自分は、何を感じていたか。

何を大切にしていたか。

何に対して心が動いていたのか。

そこには、今のあなたをつくっている「原点」がきっと隠れています。

3. 理想の未来を描いてみる

最後に、少しだけ先の未来を想像してみてください。

  • どんな暮らしをしていたい?
  • どんな人たちと、どんな時間を過ごしたい?
  • どんな自分でいられたら、ホッとできる?

理想の未来を描くことは、単なる“夢”ではありません。

それは、あなたが「こう在りたい」と願う心の軸を見つけるヒントになります。

不安や完璧主義との付き合い方

「誰かに認められたい。」

「失敗したくない。」

「未来がうまくいくか不安…。」

そんな気持ちに押しつぶされそうになること、ありませんか?

実はその感情こそが、あなたの「自分軸」を育てるきっかけになることがあります。

「不安」は、心のメッセージ

不安を感じたとき、まずはこう問いかけてみてください。

「この不安は、私に何を伝えようとしているんだろう?」

たとえば――

  • 準備がまだ足りないよ、というサインかもしれません。
  • 自分が大切にしているものを、失いたくないという想いかもしれません。
  • 本当は、今の状況に納得していないという声かもしれません。

不安を悪者にするのではなく、その奥にある“本音”を見つめること。

それが、自分との信頼関係を深めていく第一歩です。

「完璧主義」は、あなたの優しさの裏返し

「もっと頑張らなきゃ」

「ちゃんとしなきゃ」

そんな風に自分を追い込んでしまう人ほど、まじめで、責任感が強くて、誰かをがっかりさせたくない気持ちを持っています。

でも、完璧じゃない自分にも「それでいいよ」と言ってあげることが、自分軸を育てる土台になります。

失敗してもいい。

うまくできなくても大丈夫。

それでも、自分は自分としてここにいていい。

そんな“自分への許し”が、自分軸の強さにつながっていきます。

まとめ

「自分軸」とは、他人の期待や評価に振り回されず、

“自分がどうしたいか” を大切にして生きるための土台です。

どんなに小さな一歩でも大丈夫。

今日から――

  • 心に浮かんだ気持ちをノートに書いてみる
  • 少しだけ体を動かしてリフレッシュしてみる
  • 「自分は本当はどうしたい?」と問いかけてみる

そんな小さな習慣の積み重ねが、

自分を見失わない力へとつながっていきます。

焦らなくていい。

立ち止まってもいい。

でも、ほんの少しずつでも「自分」に戻る歩みを続けることで、

あなたらしい人生は、きっと動き出します。

この文章が、あなたが「自分軸」を再確認するきっかけになれば嬉しいです。