やらない人にイライラするのは真面目な証拠|精神科医が教える4つの対処法
職場のやらない人にイライラする。気づかないフリをされて、腹が立つ。それは心が狭いからではなく、あなたが真面目に、まわりのことを考えて働いているからです。精神科医しょうが、イライラの理由と4つの対処法をお話しします。

こんにちは。精神科医しょうです。
周りの行動が気になり、イライラする。
職場で、気づかないフリをしてやらない人に、腹が立つ。
今日は、このお悩みについてお話しします。
ゴミがたまっているのに、袋を替えない。
プリンターの紙が減っているのに、補充しない。
忙しそうな人がいても、手伝わない。
気づいた人ばかりが動いて、自分だけが損をしている気がする。
この記事で分かること
- やらない人にイライラする、本当の理由
- 職場に「やらない人」が出てくる理由
- イライラを減らすための、4つの対処法
やらない人にイライラするのはなぜ?あなたの中にある「ルール」

結論からお話しすると、やらない人にイライラするのは、心が狭いからではありません。
あなたの中に「ルールやモラルを大切にしたい」という、真面目なルールがあるからです。
イライラしている自分のことまで、嫌になってしまうこともあるかもしれません。
でも、ひとつだけ訂正させてください。
そのイライラは、あなたが真面目に、まわりのことを考えて働いている証拠です。
真面目な人ほど、手を抜く人が気になる
繊細な人や真面目な人にとって、きちんと働くことは、息をするように当たり前のことです。
むしろ、一生懸命やらない、手を抜く、ということのほうが難しい。
だからこそ、手を抜く人を見ると、モヤモヤしてしまうのです。
イライラの奥にある「自分の中のルール」に気づく
人は誰でも、心の中に自分なりのルールを持っています。
専門的には「スキーマ」と呼び、ふだんは意識していない部分です。
そして、このルールが、考え方や行動を決めています。
自分の中のルールに気づく方法に、「下向き矢印法」があります。
頭に浮かんだ考えに、「それは、どういうこと?」と何度も問いかけていく方法です。
たとえば、こんなふうにたどっていきます。
- 「忙しいのに手伝わないなんて、イライラする」
- それは、どういうこと? →「人が困っていたら、協力するのが当たり前」
- それは、どういうこと? →「見て見ぬふりは、よくない」
- それは、どういうこと? →「ルールやモラルは、大切にすべきだ」
最後にたどり着いたのが、あなたの中のルールです。
とても大切なルールです。
でも、それがあまりにも強いと、あなた自身を苦しめてしまうことがあります。
気づいた人ばかりが動いて、結局いつも自分が引き受けてしまう。そんな人は、自分軸チェックの「ひきうけ型」(頼まれると、断れない人)に近いクセがあるかもしれません。
職場に「やらない人」が出てくる理由

人数が増えるほど、一人の力は小さくなる
綱引きの、有名な実験があります。
一人で引くときの力を100%とすると、2人では93%、3人では85%、8人では49%。
人数が増えるほど、一人あたりが出す力は小さくなっていきました。
これは「社会的手抜き」とも呼ばれます。
集団になると、一人ひとりの責任が分散してしまうのです。
大事なのは、わざと手を抜いているわけではないということ。
多くは、無意識の働きです。
そして集団の中では、誰でも手を抜く可能性があります。
やらない人にも、それぞれの事情がある
ゴミ袋を替えなかった人も、単純に気づかなかったのかもしれません。
ほかに優先すべきことが、あったのかもしれません。
もちろん、いつも気が利かないのは考えものです。
でも、全員が「わざと」ではない、と知っておくだけでも、イライラは少し小さくなります。
「誰がやってもいい仕事」は、後回しにされやすい
ゴミ袋の交換や、紙の補充。
こうした「誰がやってもいい仕事」は、責任が分散して、誰も率先してやろうとしなくなりがちです。
さらに、人には、まわりの人の行動を見て「それでいい」と判断してしまう心理があります。
行列のできているお店を見ると、おいしいのだろうと思ってしまうのと同じです。
だから、やらない人がいると、「別にやらなくていいんだ」と思う人が増えてしまう。
気づいてやってくれる人がいるのは、本当はとてもありがたいことなのです。
やらない人へのイライラを減らす、4つの対処法

1. 自分の中のルールに気づく
イライラしたら、「それは、どういうこと?」と自分に問いかけて、心の中のルールをたどってみてください。
気づくことができれば、そのルールとどう付き合うかを考えられるようになります。
2. 自分のルールを、少しだけゆるめてみる
「ルールやモラルは大切にすべき」というルールが強すぎると、体調が悪くても、仕事の手を抜けなくなります。
手を抜けば、まわりに迷惑をかけてしまう。そう考えて、いつも全力で走りつづけてしまうのです。
いつも全力の人は、少し手を抜いても、それでやっと人並みだったりします。
- 資料を、8割くらいの出来で出してみる
- 少し疲れたら、席を立つ
- 人が見ていないところでは、笑顔を作らない
少しだけ勇気を出せばできそうなことを、くり返してみてください。
すると「大切にしたい。でも、いつもじゃなくてもいい」と、ルールが少しずつゆるんでいきます。
ただ、何年もかけて守ってきたルールです。
すぐに変わらなくて当たり前ですし、うまくいかない日があっても構いません。
焦らず、続けることがいちばん大切です。
3. 「誰がやってもいい仕事」をなくす
責任が分散しないように、役割をはっきり決めるのが効果的です。
責任のある立場の人が、ふだんやらない人を指名して、仕事を任せてみるのも一つの方法です。
あなたが任せる立場なら、正当に評価すること、その仕事が誰の役に立っているかを伝えることも、手抜きを減らす助けになります。
4. 伝え方を変える
張り紙や声かけをするときは、言い方を少し変えてみてください。
避けたい言い方 | 伝わる言い方 |
|---|---|
ゴミ袋の交換に協力してくれない人がいます | 職場の多くの人が、ゴミ袋の交換に協力してくれています |
紙の補充が、またできていませんでした | 50人中40人以上が、紙の補充に協力してくれています |
「やらない人がいる」と書くと、「それなら自分もやらなくていい」と思わせてしまいます。
「多くの人がやっている」と伝えるほうが、人は動きやすくなるのです。
やらない人にイライラする人によくある質問
やらない人は、わざと手を抜いているのですか?
多くは、無意識です。
集団になると責任が分散して、誰でも手を抜く可能性があります。
わざとではないからこそ、防ぎにくいとも言えます。
イライラしてしまう私は、心が狭いのでしょうか?
心が狭いのではありません。
あなたの中に「ルールやモラルを大切にしたい」という、真面目なルールがあるからです。
ただ、そのルールが強すぎると、あなた自身が疲れてしまいます。
まわりにお願いするときは、どう伝えればいいですか?
「やらない人がいます」ではなく、「多くの人が協力してくれています」と伝えてみてください。
役割をはっきり決めて、担当を指名するのも効果的です。
まとめ:大切なルールを、少しだけゆるめて

やらない人にイライラするのは、あなたが真面目に、まわりのことを考えて働いているからです。
ただ、そのルールで、あなた自身が苦しくなっているのなら。
焦らず、あなたのペースで、少しずつゆるめていきましょう。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
精神科医しょうでした。




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