HSPの皆さんは、恐らくその感覚の過敏性に悩まされることがあるかと思います。
大きな音や、強すぎる香水のにおい、明るい光などなど・・・
それらの刺激に対して、HSPゆえに人よりも反応してしまうかもしれませんね。
ここで少し改めて知っておいていただきたいのは、「五感」の働きです。
五感とは?
五感を簡単に説明しておきましょう。
- 視覚→目から入った光のエネルギーが網膜上の感覚細胞を刺激することで生じる感覚
- 聴覚→耳から入った空気中の音波が鼓膜を伝わり、蝸牛(かぎゅう)を刺激することで生じる感覚
- 味覚→口から入った物質が、舌の表面にある味蕾(みらい)を刺激することで生じる感覚
- 触覚→皮膚が刺激されることで生じる感覚
- 嗅覚→鼻から入ったにおいが嗅細胞を刺激することで生じる感覚
これら「視覚」「聴覚」「味覚」「触覚」「嗅覚」の5つを合わせて、五感と呼んでいます。
この五感ですが、冒頭でもお伝えしたように、HSPの皆さんはその“過敏性”に悩まされていることと思います。
感覚の“鈍麻”に悩まされている方もいる
しかしその一方で、感覚の“鈍麻”に悩まされている方もいます。
例えば、暑さや寒さを感じなかったり、熱いものに触れても熱さを感じないなどのことが挙げられます。
それはつまり、熱中症になったり、風邪をひいたり、やけどをしているのに気づかない(気づけない)という側面を持ちます。
本当は、割れたガラスの上を裸足で歩いていたことで足の裏を怪我していたのに、それに気づけなかったということも起き得る話です。
怪我に気づけなければ、当然そこから細菌が入り、感染症を引き起こすこともあるでしょう。
鈍麻というのは、そういうトラブルを抱えているんですね。
五感を遮る実験でおこった恐ろしい結果とは?
他にも1つ知っておいていただきたいことがあります。
それは、こんな実験です。
- 防音装置のついた部屋でたった1人、誰とも喋らずに1日を過ごすというもの。
食事とトイレ以外は、ただひたすらベッドに横になっていなければなりません。
五感をさえぎるために目には半透明にしたメガネを、頭にはゴム枕を、そして腕には筒状のカバーと手袋もしなければなりません。
そして“ただただ”ひたすらベッドでじっとしているのです。
考えただけでも恐ろしいですよね・・・
そして結果は、「強度の不安や幻覚に見舞われる」そういったものでした。
実験の目的は、孤独状態に人はどれだけ耐えられるか?
それを調べるのが目的でした。
しかし、この実験からは、「五感」の重要性も分かりますね。感覚の重要性です。
感覚を奪われた人間は、正常ではいられなくなる
感覚を奪われた人間は、正常ではいられなくなります。
つまり、人は外部からの刺激が必要ということです。
心が正常に働くためには、刺激が必要なんですね。
ちなみにですが、刺激には「順応」と呼ばれる現象があります。
例えば、電車の音や工事の音がうるさい線路沿いの賃貸に引っ越したとします。
当然最初のうちは、夜もなかなか寝つけません。
しかし、しばらく生活していると、それほど電車や工事の騒音が気にならなくなってきます。
これを「順応」と呼びます。
同じ刺激が何度も入ってくることにより、目や耳といった感覚器の感覚神経細胞が興奮し続け、疲労してそれ以上興奮することができない状態になるんですね。
HSPさんが敏感な五感と上手く付き合うには?
さて、ここまでいかがでしょうか?
何となく「五感」の重要性が分かってきたのではないでしょうか?
ここまでのことを考慮すると、五感は敏感すぎても鈍感すぎても困ることが分かります。
かと言って、五感を全くシャットアウトし過ぎても、正常ではいられなくなります。
刺激を過剰に避けてはいけないということです。
刺激と上手に付き合っていきましょう。
HSPさんは、刺激に対して敏感です。
- 大きな音や騒音、人の話し声が気になるなら、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンやヘッドホンで防音
- 強い光が気になるなら、最低限少しでも色の入ったサングラスで和らげる
このように少しでも工夫していきましょう。
そうしているうちに徐々に順応が起こり、音や光などの刺激が以前ほど気にならなくなる可能性があります。
もちろん、感覚過敏であることには変わりないので、人よりはしんどいとは思います。
しかし、“以前の”自分に比べれば、刺激に対する感じ方が楽になっていることに気づくはず。
ぜひ意識してみてくださいね。
まとめ
HSPさんは、五感の重要性を知りましょう。
過敏すぎても鈍感すぎても、共に問題があることが分かります。
だからと言って、刺激を避けすぎても問題があることも分かります。
上手に付き合っていきましょう、そうしているうちに、順応していくのも人間です。
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