人と比べて落ち込むならどんどん比べていい|精神科医が教える比べ方
人と比べて落ち込む。比べないようにしようと思っても、つい比べてしまう。実は、比べるのをやめなくていいのです。精神科医しょうが、落ち込みやすい人の比べ方のクセと、比べても落ち込まないための3つの比べ方をお話しします。

こんにちは。精神科医しょうです。
「誰かと比べて、落ち込んだ」。
今日は、このお悩みについてお話しします。
同僚がほめられているのを聞くと、「やっぱり自分はできていない」と思う。
友人が自分より良い会社に勤めていると知って、なんだか落ちこむ。
SNSで誰かの楽しそうな投稿を見て、自分の毎日が色あせて見える。
そして、「比べるのはやめよう」と思っても、気づくとまた比べている。
この記事で分かること
- 人と比べて落ち込んでしまう、本当の理由
- 比べるのをやめなくていい理由
- 比べても落ち込まないための、3つの比べ方
- 比べる材料を入れすぎない、SNSとの付き合い方
人と比べて落ち込むのはなぜ?

結論からお話しすると、人と比べて落ち込むのは、比べること自体が悪いからではありません。
比べる相手が、いつも「完璧な人」に偏っているからです。
劣等感は、誰かと比べたときに生まれる
友人が自分よりも良い企業に勤めているとわかったとき。
同僚がどんどん出世していくとき。
後輩に先を越されたとき。
劣等感を抱く場面はいろいろありますが、すべてに共通するのは、他人と比べているということです。
比べることさえなければ、劣等感は生まれません。基準がなければ、劣っているとも感じないからです。
でも、比べないのはとても難しい
とはいえ、「今日から人と比べないようにしましょう」と言われても、それを実行するのは本当に難しいことです。
特に、劣等感を抱きやすい人にとっては、なおさらです。
0か100かで考えてしまう
劣等感を抱きやすい人には、特徴があります。
何かにつけて、0か100かで考えてしまうのです。
「こんなミスをする私は、仕事ができない人間だ」
「こんなだらしない生活をしている私は、ダメな人間だ」
そのため、比べる相手も極端になりがちです。
仕事が早くて正確な人、行動力があってエネルギッシュな人、誰に対しても臆せず発言できる人、モデルのような体型の人。
100%完璧に見える人とばかり比べるので、落ちこみやすくなるのです。
アンケートにも、比べてしまう声が届きました
私のインスタで2026年9月にとったアンケートでは、89人中9人が、この1週間でいちばん多かったこととして「誰かと比べて、落ち込んだ」を選びました。
「頭の中で流れた言葉」には、「なんで比べちゃうんだろう」という声がありました。
「人には言えないけれど、自分の中でよく起きること」には、こんな声も寄せられています。
- 「人と比べて落ち込んで私なんかと思う」
- 「自分以外の人が褒められていると、やっぱり自分はダメなやつなんだと思う」
比べて落ちこんでしまうのは、あなただけではありません。
人と比べて「私なんか」と思うことが多いなら、自分軸チェックの「くらべる型」(人と比べて、落ちこんでしまう人)に近いクセがあるかもしれません。
人と比べて落ち込むなら、比べる相手を広げればいい

では、どうすれば劣等感を抱かずに済むのでしょうか。
答えは、どんどん比べちゃいましょう、です。
ただし、100%の人とだけ比べるのではなく、比べる相手を0%から100%まで広げるんです。
たとえば、仕事が早くて正確な人と比べて、落ちこんでいるとしましょう。
それは、仕事の速さも正確さも100%完璧な人と比べている状態です。
でも、いつも100%の速さと正確さを出せる人はいません。
誰にでも苦手な作業はありますし、体調や周りの状況によって、集中力も変わるからです。
そこで、比べる相手を広げてみます。
- 仕事は早いけれど、少し正確さに欠ける人を「75%」とすると、あなたの評価はどう変わるでしょうか
- 速さも正確さも、ほどほどの人を「50%」とすると、どうでしょうか
少しずつ、気持ちが楽になってくるはずです。
比べるクセはそのままに、極端な比べ方だけをやめる。それだけで、落ちこみにくくなります。
人と比べて落ち込まないための、3つの比べ方

1. 比べる相手を、0〜100%に広げる
ここまでお話ししたように、100%の人とだけ比べるのをやめて、75%、50%、25%の人とも比べてみてください。
いろいろなレベルの人と比べることで、自分がこれまで成し遂げてきたことを、もう一度確かめられます。
「ちゃんと成長しているんだ」「着実に前に進んでいるんだ」と気づけて、やる気につながることもあります。
2. 「ゼロポイント」と比べてみる
完璧主義な人は、完璧な人や、過去の自分の輝かしい成績と比べてしまいがちです。
そこで、あえて「ゼロポイント」を決めて、そこと比べる方法があります。
たとえば、営業成績1位の人と比べて落ちこんでしまうとき。
仕事をさぼりがちで、成績が最下位の架空の人をゼロポイントにして、比べてみます。
すると、これまでつくってきた顧客の名簿、そこに書きためたメモ、勉強してきた会話のスキル、自分を選んでくれたお客さんの数に気づけます。
「何がないか」ではなく、「すでに何を持っているか」に目を向けるための比べ方です。
3. 昨日の自分と比べる
他人とではなく、昨日の自分と比べてみるのもおすすめです。
昨日より少し早く起きられた。
前より、落ちこむ時間が少し短くなった。
今日は、ちゃんとご飯を食べられた。
そんな小さな変化に気づいてあげることが、自信を育てる第一歩になります。
朝起きた、人と話した、といった当たり前のことも、ノートに書き出してみてください。
できなかったことばかりに目が向く日でも、ちゃんとできていることがあるはずです。
人と比べて落ち込む日は、SNSの入れ方を変える

SNSのキラキラした投稿や、派手な暮らしを見て、自分の今と比べてしまう。
そんな人も多いのではないでしょうか。
あまりに人と比べすぎると、理想と現実のギャップが生まれて、自信を失ったり、自己嫌悪におちいったりしてしまいます。
他人の楽しそうな生活や成功した話を見るたびに、頭の中では勝手に比べる計算が始まります。
「あの人は海外旅行に行っているのに、私は」「同期は昇進したのに、私は」。
比べる材料を入れ続けると、頭がオーバーヒートしてしまうのです。
そこで、比べる材料を入れない時間をつくってみてください。
- 1日30分、スマホを別の部屋に置いて、何もしない時間をつくる
- 朝起きてすぐと、寝る前の1時間は、スマホを見ない
朝いちばんに他人の情報を入れると、1日中「比べるモード」で過ごすことになります。
ぼーっと窓の外を眺める、お茶を飲む。そんな時間が、心に余白を取り戻してくれます。
人と比べて落ち込む人によくある質問
自分より下の人と比べたら、自分の価値が下がりませんか?
そう感じて、ためらう人もいるかもしれません。
でも、いろいろなレベルの人と比べることで、自分がこれまで成し遂げてきたことを確かめられます。
不安なときは、比べる相手を広げたとき・広げないときのよいところと悪いところを、紙に書き出してみてください。どちらが自分のためになるか、気づけるはずです。
昔の自分と比べて、落ち込んでしまいます
「昔はもっとできたのに」と、過去の自分と比べてしまうこともありますよね。
20代が小回りのきくスポーツカーだとしたら、30代以降は、たくさんの荷物を積んで走る大きな車です。
仕事の責任や家族のことなど、背負っているものが増えれば、慎重になるのは当たり前です。弱くなったのではありません。
自信がない自分が嫌になります
自信がないことは、悪いことではありません。
そう悩めるのは、あなたが誠実でまじめで、ちゃんと自分と向き合っている証拠です。
何もできなかった日は、自分に「今日もよく生きたね」と声をかけてあげてください。
まとめ:人と比べて落ち込むなら、比べ方を変えればいい

人と比べて落ち込んでしまうのは、比べる相手が、いつも完璧な人に偏っているからです。
比べるのを無理にやめなくていいのです。
100%の人とだけでなく、いろいろな人と比べる。
ゼロポイントと比べて、すでに持っているものに気づく。
昨日の自分と比べて、小さな変化を見つける。
自信とは、完璧になることではありません。
どんな自分も、丸ごと受け入れられること。それが、本当の意味での自信です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
精神科医しょうでした。




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