こんにちは、精神科医しょうです。
私は普段、精神科での外来を行いながら、インスタにてHSP気質に関する発信を行なっています。
外来にてうつ病の患者さんの診療を行なっているとこんな事を耳にすることがあります。
「うつ病だけど元気そうだねと言われて辛い」
「笑えるならうつ病じゃないよね」
実際にはうつ症状で悩んでいるにも関わらず、このように周囲から理解されないことにより苦しみを募らせている方もとても多いんです。
うつ病は一般に、表情に乏しくカーテンを閉め切って寝込んでいる状態というイメージがありますよね。しかし全ての方に当てはまるわけではありません。
実際には、うつ病に悩んでいても笑顔を見せられるような方もいるんですね。
そしてネット上には、「笑顔うつ病」なる用語も散見されるようになってきました。
そこで本日は「笑顔うつ病」とはどんな状態なのかについてお伝えしていきます。
知らないと損をする「笑顔うつ病」について
精神科医が患者さんを実際に診察し治療する上では、診断が欠かせません。
しっかりとした診断があるからこそ、その後の治療方針をちゃんと立てられるんですね。
まず最初にお伝えしておかなくてはいけないのが、「笑顔うつ病」という病名は存在しないんです。
病名が存在しないというのは、診断基準にのっていないということです。
診断基準にはのっていませんが、笑顔うつ病のような状態にある方は実際にいらっしゃるんですよ。
では笑顔うつ病とはどのような状態なのでしょうか?
笑顔うつ病とは、どんなに最悪の気分であろうと毎日起床しては着替え、そして仕事へ行き、何も問題がないかのように周りの人たちと接することもできてしまう状態なんです。
一般的には、うつ病は笑顔にはなれず暗い顔で鬱々としているというイメージですよね。
しかし、笑顔とうつ病は共存しうるんです。
もちろん重度のうつ病であれば、日常生活を送るのは困難な状態です。
しかし一口にうつ病といっても様々な状態があり、軽傷〜重症まで様々なうつ状態があるんですよ。
笑顔うつ病は持続性抑うつ障害という慢性的に抑うつ感を抱えている病名に例えられたりもしますが、軽傷から中等症のうつ症状が持続している状態と考えられます。
つまりは、抑うつ症状はあり日常生活に苦痛を抱えてはいるけども、無理して笑顔を作ったりでき、社会にもなんとか適応できる状態とも言えるんですね。
笑顔を作れるから「うつ病ではない」というわけではない
ここで「笑顔うつ病」という概念があることの意義について私なりに考えてみました。
結論としては、社会全体のうつ病に対する理解が向上すること、そしてうつ症状を我慢して悪化させてしまうことを減らしてくれる意義があるのではないかと思います。
「笑顔になれるからうつ病ではない」
「一見、元気そうに見えるからうつ病じゃない」
このような間違った認識を社会全体が知り、笑顔であってもうつ症状に苦しんでいることはありうるという認識になってほしいと思います。
そして、「笑顔を作れるから私はうつ病じゃないんだ」とうつ状態に悩む方が我慢し辛い思いをすることが減ることを期待したいですね。
もしあなたにも思い当たる節があるのであれば、決して我慢はしすぎないようにしてくださいね♪
まとめ
本日は笑顔うつ病についてお話しました!
いかがでしたでしょうか?
周囲にそのような方がいて一見その方は元気そうでも、実際にはうつ症状に悩んでいるかもしれませんね。
そして、あなた自身が笑顔うつ病に当てはまりそうな場合には、笑顔を作れるからといって我慢しすぎず医療を受ける事を躊躇しないようにしてくださいね!
この記事を読んで少しでもあなたの気持ちが楽になることを願っております。
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