「適応障害」や「うつ病」の時に強く『禁止』すべき考えとは!?

しょう
こんにちは、精神科医しょうです。
さて、本日は、「適応障害」や「うつ病」の時に強く『禁止』すべき3つの考えとは!?についてお話していきます。

精神科外来をやっていると時々、こんなことを耳にします。

「うつになったのは自分のせいなんです」

「周りに迷惑をかけているような気がします」

うつ状態になってしまう方にはとても真面目な方が多く、このような考えを口にする方も少なくありません。

そして、このような考えをぐるぐるぐるぐるとしていると、ますます具合が悪くなってしまいますし、落ち着いて休むこともできません。

そこで適応障害やうつの時にすべきでない考え方について解説していきますね。本題に入る前に、文章ではなくyoutubeで見たい場合はこちらから↓

うつ病や適応障害の時に禁止すべき考え

うつ病や適応障害の時に禁止すべき考えについて結論から先にお話すると、それは3つあります。

  • 一つ目は、自分自身をせめてしまうこと。
  • 二つ目は、他人と比較すること。
  • 三つ目は未来を悲観することです。

それぞれ深掘りしていきましょう。

禁止すべき考え①:自分を責めてしまうこと

まず一つ目は、自分自身を責めてしまうことを禁止すべきと思います。

なぜなら、うつ状態になってしまったことを自分自身のせいと考えてしまう方が非常に多いんですね。

「うつになったのは自分が頑張らなかったからだ…」

「自分が悪いから病気になったんだ…」

などと自分自身を責め続けてしまうんです。

そもそも、うつ状態になるのはもちろん自分自身のせいではなくて、うつ病は誰しもなりうる可能性のある病気なのに・・・。それなのに自分自身を責めてしまうんですね。

風邪をひいた時、怪我をしてしまった時にはそこまで自分自身を責めなくても、なぜかうつ状態になってしまった自分自身を責めてしまったりするんです。

なぜ自分自身をせめてしまうかというと、うつ状態の時には思考がネガティブ寄りになってきます。

視野も狭まり、普段はそこまで関連づけないようなことまで関連づけて自責的な思考に陥ることが増えてくるんですね。

疲れてる時、しんどい時って、自分と結びつけてしまうことってありませんか?

冷静に考えたら自分は悪くないのに、あたかも自分が悪いかのように。これがうつ状態の時にはより顕著に自分と関連づけてしまうわけです。

とはいえ、強いうつ状態にある時に、病的なほどの自責思考というのを修正することは難しいかもしれません。視野も狭窄してしまっている場合が多いからです。

しかし、まだうつ状態の程度が強くない時には、こうしてみてください。

「あぁ今、自分自身を責めてしまっているな」と客観的に認識することです。

客観的に認識できるたけでもだいぶ気持ちは楽になるはずですよ。

うつ状態にある時には、ネガティブな思考に傾きやすいということを予め知っておけば、つらい時に思考の修正をできるかもしれません。

「いけない、いけない自分を責めすぎてる」

「今、自分を責めてしまっているのはうつ状態だからだ」

などと自分自身を客観視できると、気持ちが少しでも楽になると思いませんか?

ぜひ自分自身の自動思考を客観視するという癖をつけてみてください。

思わぬ自分にとって負担になってしまうような自動思考をしていることに気付けるかもしれません。

禁止すべき考え②:他人と比較すること

2つ目に、禁止すべき考えは、他人と比較すること。

適応障害やうつ病の時に、他人と自分を比較してしまうことは避けるべきです。

例えば、SNSがわかりやすいですね。他人の成功や楽しそうな日常を見て、自分と比べてしまう経験ってあるのでは?

「自分はなんでこんなにできないんだろう…」

「みんなは幸せそうなのに、自分だけがこんなに辛い…」

などと感じてしまうことがあるかもしれませんね。

しかし、これは非常によろしくない。他人と自分の状況や背景は全く異なります。

見えている一面だけで自分を評価するのは、自分に対して厳しすぎです。

他人と比較することで、自分を過小評価し、自信を失ってしまうことにも繋がりませんね。

うつ病や適応障害の時には、自分を責めることだけでなく、他人と比較することも禁止しましょう。

もし、無意識にSNSを開いて比較してしまうようであれば、一時的にSNSを削除するのもおすすめです。

SNSは本来、自分のペースで楽しんでやるものであって、自分を苦しめるためにやるものではないはず。

削除したからといって一生消えるものでもありません、一時的なお休みだと思って消すと言うのもありだと思いますよ!

他人と比べるのではなく、自分自身のペースを大切にし、小さな進歩を喜ぶことが大切です。

今日は昨日よりも、すっきり起きられたとか、食事がちょっと美味しく感じたとか、そんな昨日の自分と比較しての小さな進歩を大切にしてあげてください。

もちろんいい日もあれば悪い日もあります、昨日より今日が少し悪い日もあるでしょう。

でも波がありながらも少しづつよくなって行くと言う認識を持つことも大切なんですね。

禁止すべき考え③:未来を悲観すること

最後に禁止すべきなのは、未来を悲観することです。

どうしても適応障害やうつ病の時には、未来に対して悲観的な考えを持ちがちです。

「このまま良くならないんじゃないか…」

「未来には何も希望がない…」

などと感じてしまうことがあります。

しかし、これは非常に危険な思考です。
未来は誰にも予測できないものであり、今の状態がずっと続くわけではありません。

治療やサポートを受けることで、少しずつ改善することができますし、そう信じて欲しいです。

イヤイヤなんの根拠を持ってそんなこと言うのという意見もあると思いますし、確かに私も未来に起こることについての保証はできません。

100%未来によくなると言い切ることもできません。しかし、覚えておいて欲しいのは、実際に時間経過とともに、多くの人がよくなっていきます。

これは間違いありません。

最初は希望が持てなくて、よくなるイメージを持てなくても多くの方が良くなって元気になっていくんです。

そして、この良くなっていくということを信じることが最も大切。

希望を持ち続けることは、回復への大きな力となります。

希望を捨ててしまうことは自分自身の回復力を捨ててしまうことにも繋がりません。

どうか、うつ病や適応障害の時には、未来を悲観するのではなく、今できることに集中し、小さな希望を見つけて歩んでいくことが大切なんです。

まとめ

本日は適応障害やうつ病の時に禁止すべき考え方についてお伝えしました。

いかがでしたか?

本日の話を聞いて、ぎくっと思い当たった方もいるのではないでしょうか。

あなた自身のせいではなく病気であるのに、ご自分を責めてしまってはいないでしょうか。

適応障害やうつ病は病気です。必ずよくなると信じて治療を続けていきましょう!

私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。

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