こんにちは、精神科医しょうです。
私は普段、精神科での外来を行い、インスタにてHSP気質に関する発信を行なっています。
HSP気質を持つあなたのご家庭は、「毒親」と思われる兆候はなかったでしょうか?
自分の子どもの人生を蝕む行動をとる毒親について、ここ数年何かと注目されていますね。
性格がとても繊細な人の家庭環境には、そういった気質の人の親御さんには毒親タイプがいることもしばしばあります。
生育に不安要素がある親の元に生まれたHSP気質の人は、親の毒から身を守るために繊細に生まれたと考えることができます。
自分の性格・性質を受け入れられず苦しむ人もいますが、解説する内容をご覧になれば自分の気質をきっと好意的に感じられるでしょう。
毒親持ちの子はHSP気質を「選ぶ」?
まだ生まれる前、母胎の中にいる状態のときに、親の性格や行動に胎児が危険を感じたとします。
外に出た際に危険な親から自分を守るには、一体どうすれば良いのでしょうか?
HSP気質であるのは毒親持ちの子が生き抜くため、いち早く危険を察知できる性質になるよう選んだのかもしれません。
母親のお腹の中にいたときのことなんて、ほとんどの人は覚えていないものです。
あなたの記憶の中に残っていなくても、胎児のあなたは毒親への防御策を必死に考えたのでしょう。
胎児期の本能的な選択?
過敏なのは神経が通常よりも興奮しやすいためであり、そうなったのは生来の脳の作りによってです。
脳の発達は胎児期に受ける刺激の影響も関わってくるので、胎児のときに親という存在に安全性を感じられないと脳の構造にも変化が起こると推測されます。
自分がいずれ身を置く環境が不安を含むものであれば、自衛に役立つ脳の能力を高めようと本能的に選択しているのかもしれないです。
胎児の段階でも生存の可能性を模索する意識が働き、生まれる環境に適するように物事を判断する際に重要な脳を合わせていると考えられます。
敏感さが我が身を守る
親が毒親である場合はいつ攻撃されるか分からないので、すぐに気配を察して対処するには敏感さが必要です。
他人の空気を読んで相手の感情を刺激しない能力がなければ、毒親に囲まれた中で独り立ちできる年齢まで我が身を守り切れないかもしれません。
安全と言えない家庭で自分を生きさせるために、毒親持ちの子はHSP気質になって生まれてきたといえます。
HSP気質は生き延びる力も強いのでは
人間関係が複雑でストレスを感じやすい現代社会は、HSP気質を持つ人には生きにくいと思う世界かもしれません。
精神的な疲れを招く要素は大きくても、繊細であることは社会で生き延びる力も強い面があるのです。
感情が細やかなのは心が弱く生きづらいと受け取らずに、そのおかげで普通の人よりも生き延びやすいと見ることもできるのではないでしょうか。
毒親含む「毒」に免疫がある
現代社会に影を落とすのは人の発する毒であり、悪意や害意を他人に向けて傷つけることがパワハラ・モラハラなどの形で問題になっています。
繊細な気質は他人から向けられる毒に実は免疫があり、繊細さと同時に傷ついても簡単には折れない心の頑丈さを備えていると仮説を立てることはできないでしょうか。
なぜなら毒親家庭の出身だと親の毒にあてられ続けたため、特に毒への耐性が強くダメージを受けても毒のショックで崩れ落ちたりはしません。
毒を向けられた経験がない人は傷つけられた際のショックが大きく、一度の体験だけでも深刻なトラウマになることがあります。
場の適応に長けている
自分の意見を通すのも大事かもしれませんが、社会でうまく生きるには場の雰囲気に適した対応を取れるかもスキルの内です。
HSP気質はその場の空気を早く感じ取ることに長けているので、場面ごとの適応能力は助けとなることが多いでしょう。
空気を読めない人は冷めた目で見られやすく、適応能力の高さは安全圏に身を置きやすくしてくれます。
毒親に苦しむHSP気質の人へ
HSP気質にとって理不尽なことをしてくる人間は避けることがおすすめなので、成人後も毒親のせいで苦しんでいるのなら関係を見直してみましょう。
毒親はどこかで人に依存してくるため、繊細な人は見捨てられず親に利用されやすいです。
我が子を傷つける行いができる親と関わり続けて、自分に得られるものはあるのでしょうか?
あなたの幸せを考えるのであれば、親との関係は改めるべきものです。
縁を切ることの検討
法的に縁を切るまではしないにしても、実質的な毒親との縁切りは検討してみた方が良いでしょう。
連絡しない・会いに行かないようにして交流を断つと、最初は寂しい部分はあっても次第に心穏やかに過ごせる日が増えるようになります。
毒に巻き込まれることがない暮らしは、心を充足させてくれるはずです。
親への恩に縛られない
HSP気質は真面目な考え方を持っているので、毒親に対しても「育ててもらったし」と恩を捨てきれないところがあります。
生んだ親には法的に養育の義務があり、育ててもらったとしても当然のことなので恩に縛られる必要はないのです。
親御さんとの過去を振り返ってみて、恩を返したくなるようなことをしてもらえましたか?
倫理的な教えに振り回されたりせずに、された行いから判断して構いません。
HSP気質に悩む人は見方を変化させてみる
親が毒親といえる過酷な環境を背負いHSP気質であることに悩む人は、生存の面で気質の見方をぜひ良い方向で変化させてください。
その性質があなたを親の毒から守ってくれ、これまで生きさせてくれたのかもしれないです。
性格に問題がある毒親は少しでも自分の意に合わないことをすると、暴力的な行動をする可能性があります。
繊細さを持ち合わせていなければ親の反感を買い、ケガなど負わされてしまう危険がより倍増していたでしょう。
HSP気質は毒親の元で生存するために必要であったもので、あなたが選んだ性質は間違っていなかったのです。
まとめ
HSP気質を持っていて苦労することが多い上に、毒親がいるとなればため息をつきたくなってしまいます。
生まれた環境を考えると心が繊細にできているのは、生存の確率を上げるための正しい選択だったのです。
あなたの持つ気質は生きるための要だったのであり、どうか否定せずに自分の望んだものを誇ってくださいね。
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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