こんにちは、精神科医しょうです。私は普段、精神科での外来を行い、インスタにてHSP気質に関する発信を行なっています。インスタにも遊びにきてね(外部リンク)
HSPさんと関わっているとこんなことを耳にすることがあります。
- 「全てを完璧にこなさないと落ち着かない」
- 「自分を追い込んでしまいクタクタになってしまう」
そこで本日はHSPさんが完璧主義になってしまう理由と対策について解説していきます。
HSPとは?
HSPとはHighly Sensitive Personといい、心理学者のアーロン博士が提唱した概念です。非常に感受性が強く、敏感な気質を持った人のことを指します。
HSPの人は相手の顔色ばかりを伺ってしまったり、自分の意見を言えなかったり、他人に頼ったり甘えたりすることが苦手な人が多いんです。
完全主義になるのはなぜ?
HSPの人が完璧主義になってしまいがちなのはなぜなのでしょうか。
周りの空気を読み過ぎてしまい、遠慮してしまったりすることはありませんか。
HSPさんは他人の感情に敏感なので、他人に迷惑をかけることを極端に嫌います。
少しでも他人が嫌な思いをする要因になりそうなことは排除しようとして、なるべくミスや失敗がないよう慎重になったり全てを網羅しておかないと落ち着かず、そのため完璧主義となってしまうことが多いようです。
しかし、自分で出来ることは全て自分で抱え込んでしまうので、自己犠牲を払うことが当たり前になってしまう人がいます。
例えば、仕事を行う中で自分のちょっとしたミスで他人にしわ寄せがいってしまうことを恐れてダブルチェック、トリプルチェックを重ねます。
仕事はミスなく完璧でも自分の時間が削られいっぱいいっぱいになってしまう、といった事態に陥ってしまいます。
そんな生活を続けていては心も体も疲弊してしまいます。そうしたストレスを抱えないよう、完璧主義になり過ぎないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。
完璧主義になりすぎないためには
自分の中で範囲を決めてみる
いきなり「完璧主義をやめてみて下さい」と言われても、すぐに実践に移すのは難しいですよね。
ですので、「ここからここまでは一人で完璧にこなす」という範囲を決めてみてはいかがでしょうか。
その他は完璧じゃなくてもまぁ仕方ないよね、と思える点を探してみると少し肩の力を抜くことができるかもしれません。
もしくは、自分で決めた一定のラインを越えそうな時は他人に相談する、もしくはお願いしてみてはいかがでしょうか。勇気を出して声にしてみると、相手も真摯に対応してくれるものです。
特に仕事上の問題であれば、なるべく多くの人と情報共有しておいた方がいいこともあるので、積極的に投げかけるように意識してみましょう。
そうしていくうちに、自分一人で抱える負担が少しずつ軽くなっていくことでしょう。
リラックスタイムを設ける
完璧主義の人は根を詰めすぎて、がむしゃらに頑張り続けてしまう傾向があります。
あらゆるタスクに追われているうちに、気がついたらあっという間に夜だったなんていうことはありませんか?
そういった事態を避けるために、あらかじ時間を決めたり、タイマーをセットするなどしてみましょう。
時間を区切って休憩時間を設けたりして、生活にメリハリをつけてみましょう。
ほっと息をつくと自然と視野が広がって、意識が他にも向くようになります。
きっちりスケジュールを立てて綿密にこなしていきたいタイプの人は、あらかじめスケジュールに余裕を持たせて休息日や調整日といった日を設けておくのもおすすめです。
休憩時間には深呼吸や伸びをしたり、軽いストレッチなどを行い体を緩める動きをしてみましょう。暖かいお茶やコーヒーを飲むのも良いですね。
心と体は連動しているので、体の緊張をほぐして強制的に体を休めると心にもゆとりが生まれることでしょう。
人間はある程度休まないと、心も体も病んでしまうので、積極的に休息も取るように心掛けてみましょう。
自分に対しても気を配る
HSPの人は他人を気にする性質なので、他人がどう感じているか、何を考えているのか推し量るのが上手な人が多いです。
その性質を逆手に取って、「他人」の中に自分も加えてみましょう。
そうすることで、今の自分の状況が客観的に分かるようになります。
自分は今嫌な思いをしていないか、楽しい気分でいられているどうか、一度立ち止まって第三者の目線で自分を見つめ直してみましょう。
誰かが何時間も休憩なしで働き続けていたり、多くの仕事を一人で抱え込んでいたら「大丈夫?」と声を掛けますよね。同じように自分に対しても優しく問いかけてみて下さい。
同僚にコーヒーを差し入れする感覚で、ちょっとした気遣いを自分にもしてあげましょう。
自己肯定感を高める
HSPさんには自己肯定感が低い人が多いようです。
他の人は80点を合格ラインに定めているのに対し、完璧主義の人は100点を取らなければいけないと考えてしまいます。
物事を完璧にこなして100点が取れなければ、どんどん自己肯定感が低くなるという悪循環に陥ってしまいます。
自分はダメな人間なんだと落ち込んでしまう前に、一日を振り返って「今日はここまで頑張れた」「これは上手にできたな」と、なにか一つでも自分を褒めてあげましょう。
自分を認めることを習慣にすることで自己肯定感が少しづつ上がっていきます。
まとめ
本日はHSPさんが完璧主義になってしまう理由と対策について解説しました。
完璧主義は追い詰められて自分が疲れてしまうはもちろん、周りの人間も温度差を感じて嫌な思いをすることもあります。
自己犠牲を前提としない生き方を心掛け、ストレスを減らして生きやすい環境を自分で整えてあげてくださいね♪
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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