強い不安や恐怖に襲われそうな時の対処法【新近性効果を意識しよう】

しょう
こんにちは、精神科医しょうです。私は普段、精神科での外来を行い、7万人以上インスタやvoicyのフォロワーさんに対しHSP気質に関する発信、書籍の出版を行っています。

突然ですが、不安や恐怖に襲われそうな時はありますか?

例えば

  • 面接や資格試験の前日
  • 育児や介護のことを考えた時
  • 身近な場所で事故や災害があった時

などなど。そういった時に不安や恐怖を感じることは、ごく自然なことです。

しかし、人によってはそれらに直面した時、人よりも強い不安や恐怖を感じることがあります。

気質の面で言うとHSPさんのような人達は、強い不安や恐怖を感じることがあるかもしれません。

何事も深く考えたり、刺激の受けやすさや他人の気持ちへの共感力の高さなどから、強い不安や恐怖を感じてしまうのです。

※共感力の高さというのは、事故や災害があった時、例え自分のことではなくとも、それを自分のことのように感じてしまうことから、強い不安や恐怖を感じるということです。

そのような強い不安や恐怖ですが、なぜそのように感じてしまうのでしょうか?

今回は、「情報処理」の観点からお伝えしていきます。

なぜ強い不安や恐怖を感じるのか?

人は経験則で判断してしまう(ヒューマンリスク)

ヒューリスティックという言葉を聞いたことはありますか?

ヒューリスティックとは、簡単に言うと経験則のことです。

人はその経験則をもとに情報を処理することがあります。

どうしてもいちいち物事を深く考えていては、時間がかかってしまいます。

脳も疲れてしまうんですね。

それを防ぐために、時に人は経験則で物事を判断する(情報を処理する)わけです。

新近性効果とは?

そのヒューリスティックの1つに、最新の出来事を過去の平均的な何度も繰り返される出来事よりも重視してしまうというものがあります(新近性効果)

例えば、

  • 今朝レジの店員さんに対してキレるお年寄りを見たという人がいたとします
    →するとその人は、「これだからお年寄りは」とお年寄り全般をキレるものだと呆れて認識してしまいます。
  • ニュースで飛行機がエンジントラブルで緊急着陸したのを見たばかりの人は「飛行機は危険だ」と認識してしまいます。
  • 上司にキツく怒られたばかりの人は、「今後もまた怒られてしまうだろう」と結論付けてしまいます。

このように人は、最新の出来事を過去の平均的な何度も繰り返される出来事よりも重視しやすい傾向があります。

それがヒューリスティックです。

経験則上、最新の出来事、最新の情報の方が過去の出来事、過去の情報よりも正しいとしてしまうわけです。

そしてその時、強い不安や恐怖を感じたのであれば、そのまま過去の平均的な出来事を無視し、強い不安や恐怖を感じたままになってしまうことがある。

それを知っておいてください。

経験則で判断しないために

では、経験則で判断しないためにはどうすれば良いでしょうか?

冷静に長期的な視点で考えてみることが大切です。

先程もお伝えしたように、人は経験則で物事を判断します。

最新の出来事を過去の平均的な何度も繰り返される出来事よりも重視しやすい傾向があります。

しかし、長期的な視点で考えてみると、その判断はあまり合理的ではないことが分かります。

具体的には、過去の情報を振り返ってみることが役に立ちます。

  • 例)「今朝レジの店員さんに対してキレるお年寄りを見た場合」過去の情報を振り返ってみると・・・・優しいお年寄りもたくさんいることに気づける・キレるお年寄りは、1年のうちに1人か2人見るだけであると気づける(ほとんどのお年寄りは、レジの店員さんにキレない)

 

  • 「ニュースで飛行機がエンジントラブルで緊急着陸したのを見た場合」過去の情報を振り返ってみると・・・・飛行機のエンジントラブルは、1年の内にそう多くはないことに気づける(総運行数のうちの数%)・毎日何千・何万人もの人が無事に飛行機を利用できていることに気づける

 

  • 「上司にキツく怒られたばかりの場合」過去の情報を振り返ってみると・・・・キツく怒られたからといって、その後毎日のように怒られたことはないことに気づける・普段は、普通に会話してくれていることに気づける

このように、最新のネガティブな出来事を打ち消すような過去の出来事を振り返ってみてください。

ノートや手帳に書き出してみると効果的

できれば、ノートや手帳などに書き出してみましょう。

この時、人によっては、最新のネガティブな出来事と連動して、過去のネガティブな出来事を想起してしまうかもしれません。

※恋人にフラれたばかりの人が、過去のフラれた経験を更に思い出すといった具合です。

しかし、この場合も過去のポジティブな経験を思い出すことが大切です。

  • 恋人にフラれたばかりの人なら、過去に付き合うことができたという経験。
  • 仕事でミスをしてしまったばかりの人なら、過去に仕事で上司に褒められたという経験。

「最新の出来事だけを重視しないこと」

過去の平均的な出来事、平均的な結果も加味しましょう。

それが強い不安や恐怖に襲われそうになった時に役立ちます。

その不安や恐怖は、果たして恐れるほどのものなのか?

しっかり冷静に見極めていきたいですね。

まとめ

最後にまとめです。

  1. 人は経験則で最新の出来事を過去の平均的な出来事よりも重視することがある
  2. その最新の出来事がネガティブな出来事であった場合、強い不安や恐怖を抱いたままになってしまう
  3. その対策として長期的な視点を持ちましょう。過去の出来事、過去の平均的な出来事もしっかり加味することが大切
  4. そしてその強い不安や恐怖は、本当に妥当であるかどうか?しっかり加味してみる

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