こんにちは、精神科医しょうです。
「自己批判」それは、その言葉の通り、自分で自分のことを批判すること。
自身の言動や行いを批判し、そして反省することを言います。
この自己批判ですが、非常に真面目で責任感が強く、完璧主義な人に多い傾向があります。
- 「なぜこんなことができないんだ」
- 「なぜあの時行動しなかったんだ」
- 「もっと努力しないとダメだ」
このように、自分がやってきたこと、自分の性格、そういったものを批判します。
ただ、それゆえ、自分を成長させてくれるのもまた事実。
人間的にも成長するでしょうし、職務上のスキルや知識などに関しても、より高みへと連れて行ってくれると言えるでしょう。
行き過ぎた自己批判は危険
しかし、この自己批判が過ぎると、抑うつ状態となってしまいます。
なぜなら、いつも物事がうまく進むことの方が稀だからです。
どうしてもうまくいかないことはあります。ミスもします。
それに対し、いつも自己批判をしていては、どんな人でも心が折れてしまいます。
抑うつ状態となってしまうんです。
さらに進行すれば、うつ病となってしまうこともあるでしょう。
うつ病になると、自己批判はより顕著となります。
どんどん自分を批判するようになってしまいます。
このように、行き過ぎた自己批判は、精神衛生上あまり良いこととは言えません。
上手に自己批判と向き合う必要があると言えるでしょう。
自己批判との向き合い方
自己批判と上手に向き合うには、どうすれば良いでしょうか?
円グラフ法という技法が参考になります。
この技法は、ある出来事の責任を円グラフの中に書き出すというもの。
その出来事が起きた原因と思われることを全て考え出します。
そして“それぞれの原因”が円グラフにおいて占める割合を検討します。
それが円グラフ法。
最後に割り当てられた「円の一片」が、起きた出来事に対する自分の責任です。
出来上がった円グラフを見ることで、自分の責任について再検討することが可能です。
以下のような質問を自分に問いかけてみましょう。
様々な責任の可能性を検討することができます。
- 「なぜこのようなこと(悪い出来事)が起こったのか?」
- 「自分はどのような役割だったのか?」
- 「他の人達の役割はどうだったのか?」
- 「どのような状況だったのか?」
- 「運は悪かったのか?」
問いかけてみてください。自己批判が強すぎる人には、とても大切な質問です。
では、ここからは、実際にそれらをノートや手帳などに書き出してみましょう。
可視化することで、より自分の責任の度合いを認識することができ、自己批判を和らげてくれます。
書き方の例をお伝えします。
例えば、「あの時ミスをしたのは、私の実力不足が原因だ」と、いつまでも自己批判をしている人がいるとします。
その場合、そのミスが起きた原因を思いつく限り、リストアップします。
そしてそれらの総計が100%となるように、それぞれの原因に%を振り分けます。(重み付けを行う)
- 朝礼後の数分でやるしかなかった(時間不足) 30%
- 誰も手伝ってくれなかった(援助不足) 10%
- 上司の不機嫌な態度 50%
- 自分の実力不足 10%
- 自分の努力不足 0%
その後、これらを円グラフにして表します。
そうすると、当然「上司の不機嫌な態度 50%」という項目が、円グラフの中で1番面積を占めることが分かります。
その次に「朝礼後の数分でやるしかなかった(時間不足) 30%」という項目が、面積を占めることが分かります。
このように、円グラフにして表すと、「自分の実力不足 10%」は、それほど大きな面積を占めないことが分かります。
「あの時ミスをしたのは、私の実力不足が原因だ」と考えてしまうかもしれませんが、円グラフで考えると、その面積、その円の一片(ピース)しか自分の責任はありません。
いつまでも自己批判をするほどの責任とは、言えないのです。
どうしても全責任が自分にあると考えてしまう時は
とは言えミスをしたこと、その全責任は自分にあると考える人もいるかと思います。
ミスが起きたその他の原因を思いつくことが困難という人もいるはず。
その場合は、自分自身を弁護する弁護士になりきってみることです。
弁護士はいかなる状況であっても、その状況に対し、新しい見方を投げかけます。
必ずしもその人に全責任があるとは言い切れないと弁護します。
“いったん”自分は置いておき、弁護士になりきりましょう。
全責任を自分に帰属させることの不合理さに気付けるはずです。
さて、ここまでいかがでしたでしょうか?
自己批判との向き合い方が少しでもご理解いただけたでしょうか?
円グラフで考えることは、自分の責任がたったこれだけしかないということを知るためには、非常に効果的な方法です。
円の中の各片にその出来事が起きた様々な原因を書き出してみてください。きっと気持ちが楽になるはずですよ。
まとめ
自己批判と上手に向き合うには、円グラフ法という技法がオススメ。
円グラフ法を使えば、自分の責任が円の中でどれくらいの割合を占めるのか?
それを視覚的に感じ取ることができます。
過度に自己批判をする人は、その責任が全て自分にあるかのように考えがちですが、決してそんなことはありません。
円グラフ法を使い、自分の責任を再検討してみてください。
自己批判と上手に向き合えるようになれるよう、お祈りしています。
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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