HSPと自己肯定感の関係とは?揺らぎやすい理由と対策を徹底解説

しょう

こんにちは、精神科医しょうです

突然ですが、「自分はHSPだから、他の人より自己肯定感が低い気がする・・・」そんなふうに感じたことはありませんか?

これは、HSPの特性に大きな関係があります。

“HSPゆえに”人よりも自己肯定感の低さに悩むことがあるのです。

そこで今回は、まずはHSPとは何かを簡単に解説し、その特性がどのように自己肯定感に影響を与えるのかをお伝えしたいと思います。

HSPとは?

HSPとは、「Highly Sensitive Person」の略で、生まれつき感受性が強く、外部からの刺激に敏感な気質を持つ人々のことを指します。

HSPである人々は、環境や他人の感情に非常に敏感で、物事を深く考える特性があります。

例えば、他人の表情のわずかな変化や言葉の背後にある感情に気づきやすく、わずかな音や光の刺激にも影響を受けやすいです。

感覚や感情が細やかな分、創造力が豊かだったり、共感力が高いという長所を持つ一方で、日常生活の中でストレスを感じやすいという側面もあります。

HSPの特性は人口の約15〜20%の人に見られるとされ、決して珍しいものではありません。

しかし、その敏感さが時に自己肯定感に影響を与えることがあるのです。

HSPと自己肯定感の関係

HSPの特性が自己肯定感にどのように影響するのか?

いくつかのポイントに分けて詳しく見ていきましょう。

他人の評価を過剰に受け止めてしまう

HSPの人は、他人の評価や意見に対して非常に敏感です。

ちょっとした批判や否定的なコメントでも、「自分が間違っているのではないか」「自分には価値がないのではないか」と深く考え込んでしまうことがあります。

その結果、自己肯定感が揺らぎ、自信を失いやすくなります。

また、逆に褒められたとしても、「自分はその期待に応えられないかもしれない」

このように不安に感じたり、プレッシャーを感じることも少なくありません。

他人の言葉に大きな影響を受けやすいという特性が、自己肯定感の不安定さを引き起こすのです。

自分を責める傾向が強い

HSPさんは、他人の感情や状況に対して敏感であるがゆえに、「自分のせいで誰かを不快にさせてしまったのではないか」と感じることがよくあります。

このように、責任感が強すぎるために自分を責める傾向があり、それが自己肯定感の低下につながります。

例えば、友人との会話で相手が少し無愛想な態度を見せただけで、「自分が何か嫌なことを言ったのではないか」と不安になり、そのことを何度も思い返してしまうことがあります。

このような思考パターンが続くと、「自分はいつも迷惑をかける存在だ」という誤った結論に至り、自己肯定感をさらに低下させる悪循環が生じることがあります。

感情の揺れ幅が大きい

HSPさんは、自分の感情だけでなく、周囲の人々の感情にも大きく影響を受けることがあります。

そのため、他人が喜んでいるときには自分も幸せな気持ちになりますが、他人が怒っていたり悲しんでいたりすると、自分もその感情を共有してしまうことがあります。

この感情の揺れ幅の大きさが、自己肯定感の安定を妨げる要因となり得るのです。

感情を共有すること自体はHSPの強みですが、それが過剰になると「自分の感情が他人に振り回されている」と感じ、自己価値を見失いやすくなります。

特に、ネガティブな感情に影響されやすい環境にいる場合は、注意が必要です。

比較しやすい傾向がある

HSPさんは、他人と自分を比較しやすいという特徴も持っています。

例えば、同僚や友人が何かに成功しているのを見ると、「自分はなぜあの人のようにできないのだろう」と感じることがあります。

このような比較は、自己肯定感を下げる大きな要因となります。

さらに、HSPの人は他人の良い部分に気づきやすい一方で、自分の短所ばかりに目を向けてしまうことが多いものです。

そのため、「自分はあの人と比べて劣っている」と感じることが多くなり、自己肯定感が低くなってしまうのです。

人間関係に疲れやすい

HSPさんは、他人の感情やニーズに敏感であるため、人間関係において過剰に気を遣うことがあります。

その結果、心身ともに疲れてしまい、「自分はもっと強くなるべきだ」「自分はダメな人間だ」と感じてしまうことがあります。

例えば、職場でのチーム作業や友人との集まりで、相手が快適に過ごせるように気を配りすぎた結果、自分自身が消耗してしまうことがあります。

このような状況が続くと、「自分はいつも頑張っているのに報われない」と感じ、自己肯定感が揺らいでしまうのです。

小さな失敗を引きずりやすい

HSPさんは、過去の出来事を深く考える傾向があります。

そのため、小さな失敗でも「どうしてあのときもっと上手くやれなかったのだろう」と、何度も思い返してしまい、自分を責めることがよくあります。

このような反省が行き過ぎると、「自分はいつも失敗する人間だ」と自己評価を下げる要因になります。

例えば、会議で一度意見を間違えただけで、そのことを何日も思い悩み、「自分は仕事ができない」と感じてしまうことがあります。

このような思考パターンが自己肯定感を低下させる要因となるのです。

まとめ

いかがでしょうか。

きっと「まさに・・・!」と、感じる内容もあったのではないでしょうか。

今回は、HSPの自己肯定感が揺らぎやすい理由について詳しく解説しました。

HSPの特性を理解することで、自分自身の感じ方や考え方に対する気づきを得られることを願っています。

次回は「自己肯定感の低さが抑うつに与える影響」についてお届けします。

どうぞお楽しみに。