こんにちは、精神科医しょうです。
まじめで責任感が強く、ルールを重んじる方の中には、完璧主義な人も多いものです。
完璧主義は、決して悪いことではありません。
完璧主義であることで、隙のない丁寧な仕事をしようと思えますし、自分よりもすごい人を見て、もっと頑張ろうと努力をすることもできます。
自分をどんどん高みへと、自己成長させてくれる側面を持つのが完璧主義です。
しかし、完璧主義であることで、苦しい思いをすることがあるのもまた事実。
実行しようとしたことが遂行できなかった時や、理想としている人の背中に追い付けなかった時、ライバルに追い越された時などなど。
人生思い通りにいかないことが多いのも現実です。
そのような時、完璧主義な人は、自分を責めてしまいます。
- 「自分は何をやっているんだ・・・」
- 「こんなんじゃダメだ・・・」
- 「ダメ人間だ・・・」
このように、自分の無力さに打ちひしがれてしまいます。
完璧主義とは、「0か100」なので、及第点の自分を許せないのです。
80点や90点では、意味がありません。完璧な姿こそが、あるべき姿なのです。
なぜ完璧主義になるのか?
人はなぜ完璧主義になるのか?
その理由をいくつかピックアップしてみましょう。
【幼少期の家庭環境】
例えば、厳しすぎる両親のもとで育った子は、過度に失敗することを恐れてしまいます。
- 「失敗すれば両親から怒られる」
- 「100点でなければ、両親が褒めてくれない」
そうなると子どもは、自然と完璧を目指すようになってしまいます。
幼少期に親から認めてもらうという体験は、子どもにとって非常に大切なものですが、それが100点の時だけとなると、過剰に100点に固執するようになっても仕方がありません。
【過去のトラウマ】
過去に人前で大きなミスをしたり、恥ずかしい思いをした、上司からパワハラにも近い厳しい叱責を受けた。
そんなトラウマにも近い経験があると、もうそんな思いは二度としたくないということで、完璧主義になることがあります。
【SNSの発達】
少しでも間違った発言や間違った行いをすると、個人であろうと、SNSで不特定多数から強烈なバッシングを受けることもあります。
「こうあるべき」という完璧な理想像を押し付けられることがあります。
今までは届かなかった全国からの個人の声が、SNSの発達を通して届くようになったのです。
このSNSの発達は、あまり大きな影響はないかもしれませんが、人が完璧主義になる理由として、その影響が全くのゼロということはないのではないでしょうか。
完璧主義に苦しまずに済む方法
自分ができることと自分ができないことをしっかりと認識する
完璧主義に苦しみたくないなら、自分ができることと自分ができないことをしっかりと認識すると良いでしょう。
- 例えば、「Aという作業はできるけど(得意)、Bという作業はできない(苦手)」
そのようなイメージです。
そして認識できたなら、Bという作業は誰かに任すということも時には大切です。
自分ができることと自分ができないことを認識し、できないことは人に任せる。
これは、完璧主義から脱却するためにとても大切なことです。
ゼロポイントを設定して、そこと比較検討する
もう1つ、完璧主義に苦しまないための考え方をお伝えします。
完璧主義な人は、完璧な人と自分を比べてしまうことが多いものです。
または、過去の自分の輝かしい成績や成果と比べてしまうこともあります。
そこで、ゼロポイントを設定して、そこと比較検討するという考え方があります。
例えば、営業成績ナンバーワンの人と比べてしまい、憂うつに感じたり、自己否定を繰り返してしまう人の場合。
この場合、仕事をサボりがちで営業成績がビリの人(ゼロポイント)と比べます。
営業成績がビリの人と比べることで、自分がこれまでに行ってきたこと、また現在手にしているものは何があるか?
どう判断できるか?
それを検討することができます。
すると、これまで営業のためにリスト化してきた顧客名簿やそこに書き記したメモの数々、営業に役立つ会話のスキルを勉強したこと、自分という人間を選んでくれたお客様の数などに気付くことができるのではないでしょうか。
ビリの人よりも努力しているし、結果も出していることに気付くことができるはず。
この考え方は、自身の苦しみを別のポジティブな視点から再度考え直してみることが目的です。
「何が無いか」に注目するのではなく、既に自分が手にしているものを認めて評価し、自分よりももっとひどい人もいるということに気付くことが目的なのです。
ゼロポイントという極端な比較対象を設定することで、非常にそれらを意識しやすくなるのではないでしょうか。
完璧主義から来る苦しみが少し楽になることと思います。
まとめ
完璧主義に苦しまずに済む方法として、次の2つがあります。
- 自分ができることと自分ができないことを認識し、できないことは人に任せる。
- ゼロポイントを設定して、そこと比較検討する
完璧主義ゆえの苦しさを感じる人は、ぜひ意識してみてください。
気持ちが楽になるはずです。
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