こんにちは、精神科医しょうです。
日本人は、海外の人と比べて、人の目を気にしやすい国民と言われています。
やはり島国ですから、その同質性の高さが特徴です。
現在では、異文化に触れる機会も増え、海外に行く人や逆に海外から日本へと来る人も増えたため、様々な価値観や考え方が浸透してきました。
日本と欧米のコミュニケーションスタイルの違い
しかし、それでも欧米のコミュニケーションスタイルと比べた時、前提条件が違います。
日本は、その同質性の高さから、「理解してくれるだろう」「分かってくれるだろう」そんなふうに考える傾向があります。
そして、突出した意見はあまり好まれず、曖昧な表現がなされることもよくあります。
対して、欧米、特にアメリカのような国では、様々な国の人が住んでいます。
それゆえ、同質性も低く、コミュニケーションスタイルも、互いに分かり合うことは困難という前提です。
はっきりと物を言うことが好まれ、曖昧な表現は逆に不誠実とされることもあります。
そうしないと、伝わらないからです。
このようなコミュニケーションスタイルの違いがあることも、日本人の人の目の気にしやすさの要因の1つと言えます。
その同質性の高さから、突出した意見を言うことへの抵抗があります。
それらが周囲の人の顔色を伺い、人の目を気にすることへと繋がるわけです。
そんな日本人ですが、加えてHSPさんの場合、更にその気質ゆえに人の目を気にしやすいものです。
なぜなら、刺激を人よりも多く受け取るからです。
人混みではぐったりしてしまったり、見られながらの作業は緊張したりと、非HSPさんのそれよりもとても顕著です。
見逃せない心理学的な要因
心理学的な要因も見逃せません。
日本特有のコミュニケーションスタイル、HSPという気質などから人の目を気にしやすくなるのですが、それを発端に「人が見ている」「人に見られている」と思うと、本当にそういう人が目につくようになります。
いわゆる頻度錯誤と言われるものです。
これは、一度気にし始めると、急にそれを頻繁に目にするようになるというもの。
実際に見ている人が増えたわけではありません。
例えば、
- Aというブランドの服が欲しい
→そうすると、街中でAというブランドの服を着ている人や、Aというブランドに関するネットニュース等が目につくようになります。 - 朝の情報番組で「てんびん座のあなたは、今日は人の優しさが目につく1日です」と言われたとする
→すると、実際に人の優しさに気付くようになります。普段は意識していない、人の些細な優しさにも目が向くようになるからです。
頻度錯誤は、スタンフォード大学の言語学教授、アーノルド・ズウィッキー氏が作った言葉です。
「Once found, it’s everywhere(一度見つけたら、どこにでもある)」そんな意味があります。
つまり、「人が見ている」「人に見られている」
そう思うから、それに合致する情報を探し出すわけです。
そして、実際に人がこちらを見ているのを目撃すると、「ほら、やっぱり・・・」となり、その考え(「人が見ている」「人に見られている」)をより信じ込むようになるわけです。
そうして、どんどんと人の目が気になるようになっていきます。
人の目を気にしないためにできること
では、人の目を気にしないためにできることは、何かあるでしょうか?
注意をそらすこと
まず1番現実的なのは、その注意をそらすこと。
人の目を気にしてしまうのは、冒頭でお伝えしたように国民性だったり、HSPという気質もありますから、ある程度仕方のないことです。
それならば、注意をそらしてしまいましょう。
周囲の人に意識が向かないように工夫することです。
例えば、このようなことが対策として有効です。
- イヤホンで音楽を聴き、その音楽に意識を向ける
- ガムをかむことで、そこに意識を向ける
- 友人との会話に意識を向ける
- 周囲の景色に意識を向ける(花、ビル等、特定のものを決めて、そこに意識を向ける)
- 自身の呼吸に意識を向ける(深呼吸がおすすめ)など
モデリング
そしてもう1つ、人の目を気にしないためにできることがあります。
それは、モデリング。
例えば、テレビの中の有名人や大物俳優をイメージしてみてください。
とても堂々としていますよね。
そういった人をモデルとして、その考え方、行動、振舞い、全てをマネしてみましょう。
街中を歩く時、そういった有名人の方や大物俳優さんは、果たしてビクビクしながら歩いているでしょうか?
恐らくそんなことはないはず。堂々と歩いていますよね。
特にハリウッドスターなんかは、更にスターたる振舞いをしていることだと思います。
あなたも、そんな有名人や大物俳優、ハリウッドスターになったつもりで行動してみてください。
- 「人が見ている」「人に見られている」
そんな意識が少し楽になるはずです。
モデリングは、とても有効な手段です。
ぜひ意識してみてください。
最後にはなりましたが、人の目が気になることは、悪いことばかりではありません。
人の目が気になるからこそ、自分を律することができます。
人の目を全く気にしないことは、自己中心的でわがままな性格へと繋がる可能性を持っています。
人の目が気になる理由を知り、そんな自分と上手に付き合っていきましょう。
まとめ
日本人は、その同質性の高さから、人の目を気にしやすい国民性と言えます。
そこにHSPという気質も加われば尚のこと。
それらを誘因として、頻度錯誤も起きるでしょう。
まずは、人の目が気になる理由を知ることです。
その上で、人の目を気にしなくても済む方法を模索していきましょう。上手に自分の特性と向き合ってください。
私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。
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